口に合ったベトナム料理の数々と調味料
20日間で、かなりベトナムの料理を食べた。ベトナム料理すべてを語るのはおこがましいが、一部のハーブ(香菜、ドクダミ!!)を除いて私の口に合うというのがわかったのは収穫だった。最初に食べてなかなかいい味だ、と思ったのは、バイン・トム・ホー・タイと思われる、海老を揚げたものだった。また、ハロン湾からハノイへ戻る途中の食堂で食べた「揚げ春巻き」もベトナムで食べた中で一、二を争そう美味しさだった。両方とも、付けだれの、「ヌック・チャム」(ベトナム独自の魚醤ヌックマムを薄めたものに砂糖、酢またはライム汁に唐辛子を浮かせたもの)に付けて食べた。このヌック・チャムは、心配していたヌックマムの臭さが無く、旨味、塩味、甘味、酸味、辛味がほどよく調和して、いろいろな料理の付けだれとして良く出された。これはベトナムの「魂の味」の不可欠なものであろう。この後いろいろなものを食べたが、「ヌックマム臭い」と感じたものは全く無かった。ちなみに、ベトナムも中国文化の影響で、箸を使う。

左が海老を揚げたものなど。中が揚げ春巻き。豚ひき肉、もやしなど野菜入り。右が本場の生春巻き海老入り。
下が基本の味の一つヌック・チャム

左は陸の巻貝を茹でたもの。右は何かの軟体動物と青菜の炒め物。これらもヌック・チャムを付ける

ハノイ空港の食堂には、付けだれとしてヌック・チャムのほかにラー油のようなものも出てきた。
後ろの容器は、別の料理に好みで付けるもの。左はチリ・ソース、右はTương Đen Phở(トゥオン デン フォー)という大豆を発酵させ、砂糖(カラメル)、食塩、コーンスターチ、醸造酢などで作る酸味のある甘味噌。フォーに入れるとのこと。
フォー(米粉を水に浸してペースト状にしたものを麺に切ったもの)も日本では生春巻きと同様、ベトナム料理の代表格になっている。2025年12月のハノイでの個人ガイドは「ツアーでは絶対連れて行かない、美味しい店に行こう」と食べさせてくれた。このガイドはかなりのグルメで、ベトナム北部の行程で相当の出費を余儀なくされたが、揚げ春巻き、フォー以外でも彼の推薦する店で食べた料理はほとんど美味しかった。ベトナムの人々も日常食として、柑橘類による酸味、唐辛子による辛味、ヌックマム、甘味噌などで好みの味に整えて食べている。出汁は牛や鶏で取るとのこと。生野菜やハーブ゙を入れたり、中国式の油条(小麦粉にもち米を加えた揚げパン)も浸して食べることが多いとのこと。ただ、これは手で掴んで食べるとべとべとするので要注意。


各地のフォーの店の卓上や出てきた調味料、ハーブ、油条など。
米粉のフォーだけでなく、麦粉の麺も熱くしてよく食べる。「グルメガイド」がこれも「ツアー客は連れて行かない、秘密の庶民の店」と言って食べさせてくれた店の、海鮮の麺はスープを飲んだ瞬間、「これは美味い!!」 海鮮独特の臭みが無く、旨味が上品に出ている感じで、さきほどの揚げ春巻きと一、二を争う美味しさだった。

旅行中一、二を争う美味しさだった海鮮麺。出汁は海鮮中心であろう。海老、蝦蛄、蒲鉾のようなすり身が入っていた。好みで、ラー油、酸味と辛味の細かく切って茹でたタケノコ、ハーブを入れる。
「グルメガイド」のおかげで、高くついたが、海鮮鍋専門店で海鮮鍋を食べ、海老と蟹を中心に堪能した。このガイドは海鮮についてはとても多くのいい店を知っていた。

Cua Bể(クア・ベー)という蟹だと思う。殻が堅くて食べるのに苦労した。右は付けだれのヌックマム+ライム(またはカラマンシー)+唐辛子
ハイフォンでもこの蟹の料理を食べたが、やはり海に面しているだけあって、蟹の新鮮さがはっきり分かって、これも美味しかった(食べるのに夢中で写真を撮り忘れた)。

茹でた海老に付ける三つの「たれ」。下は先ほど紹介したヌックマム。真ん中はベトナム醤油(日本のものより旨味がない)。上は私が12月に初めて接して気に入った、Muối tiêu tắc(ムオイ・ティ・タック)という、塩味がまろやかな天日塩+胡椒+唐辛子+金柑絞り汁
ベトナム料理が私の口に合った理由の一つが、醤油と砂糖で甘じょっばく炒めたり、煮付けたりするものがけっこうあったということであろう。豚の脂身もけっこう出て来るので、初めは手を付けなかったが、食べると脂を少し落としているのか、しつこくなく、また、醤油もあっさりしていて食べやすかった。これも調べたらベトナムの調理法の一つだとのこと。ただ、香菜を入れることが多い。私のように苦手な人は抜いてもらうよう頼めばいい。

左は厚揚げの煮物。一番日本料理に近いと思った。右は牛肉の炒め物。付け合わせの生のトマト、きゅうりはフランスの影響だと思うのだが。

左はホーチミンの定食屋のもの。脂身が多いがしつこくなく美味しかった。よほど豚肉が苦手な日本人でない限り食べられる。右はハノイの「飲み屋」の一品。食べたら結構いけた、豚脂身の甘辛炒め。
これまで紹介した味付けと全く違うものが印象に残ったので、一つ紹介しよう。ホーチミンのベトナム料理店で出されたものだが、茹でた豚肉に塩辛の汁を付けて食べるものである。そんなに美味しいとは思わなかったが、やや臭みのある塩辛だったが、私は食べられた。

このように、ベトナム料理の味付けは、ヌクマムだけでなく幅広い。中には食べた瞬間「ダメ! 食べられない」と思ったものもあり、まだすべてを紹介しきれてないが、とりあえずこの辺にしておこう。

ご飯は日本と同じジャポニカ種。特別美味しいとは思わなかったが、「米の香り」がして、不味くはない。